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トレバー・ノア・ショーのyukiのレビュー・感想・評価

トレバー・ノア・ショー(2011年製作の映画)
3.8
まだアメリカに本格的に進出する前。
南アではじめてのワンマンショーにのぞむトレバー・ノアを追ったドキュメンタリー。

「どこにも属することなく生きてきた。誰からも仲間はずれだ」
「何者でもあって、何者でもないのも悪くない。何でも言えるし、何も言わなくてもいい」
そう自らのことを語るトレバー・ノア。

「人種や民族に縛られない初のコメディアン」「誰もが彼とつながれる、仲間と思える」とまわりは彼を評します。

いまや誰もが認める地位を確立しているトレバー・ノアも、この頃は急にでてきて人気を集めた新人。
ドキュメンタリーのなかでは、「あいつは傲慢だ」と批判する先輩芸人たちのインタビューも。
南アの白人芸人と黒人芸人の間にある溝も映しだされています。

「南アの人は問題があることを認めようとしない。コメディアンには真実を語れる舞台がある」
批判をものともせず、ぶれない信念を語る姿に、この姿勢があったからこそ、今の彼があるのだと思います。

最後に流れる、ワンマンショーのオチが、"We are people"というのも印象的。


"Born a Crime"を読んだあとに見たので、これがあのお母さんで、おばあちゃんで、弟で、ソウェトの家で、お父さん追いかけた公園で……と思うところがたくさん。
そして、ワンマンショーの直前に、本の最後にでてくるあの事件が起こっていることにびっくりしました。
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