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がっこうぐらし!のBellのレビュー・感想・評価

がっこうぐらし!(2018年製作の映画)
3.5
この作品、原作コミックスは未読ですが、アニメはバッチリ見ました。
何の前知識もなくアニメを見ていたので、第1話で、な~んか不自然さは感じるものの、女子高生達が学校に合宿みたいな感じで生活している、ほのぼのものかなぁと思っていたら。。。ラスト5分の血塗れの教室で、ゾッとした・・・という、見事に叙述トリックにハマった想い出が。

でもでも、実写映画版だと、予告編やポスターで、思いっきりネタバレしているのですよねA^^;;

ちょっと残念・・・もっと、たくさんの人を騙して欲しかったですが、きっと、そういう騙し討ちみたいな予告編はダメなのでしょうね。



物語は・・・というと。

女子高生4人が入っている部活「学園生活部」。
学校に寝泊まりして、24時間学校で暮らすことによって、色々な事を学んでいくクラブ。

・・・の真実は。

いきなり、平和な日常が崩壊し、ゾンビだらけになった学校や街。
外が危険すぎて、学校に立てこもらずを得なくなってしまった女子高生達に、一緒に生き残った教師が作った「設定」。

あまりに残酷な現実に心を病んでしまった子も含め、この過酷な状況を、「学園生活部」の部活動の一環ということにし、心の逃げ場を作って生活することにしているのです。
こうして、なんとか生き延びている女子高生達のサバイバル物語。



アニメを知っているので、結構、落ち着いて見ることが出来ましたが、とても怖かったです。
そして、思っていたよりも面白かったです。

毎日過ごしている平和な学校が一変してゾンビの巣窟に。
そして、校内にバリケードを張り巡らせ、安全なエリアを作って立てこもっている女子高生達の毎日。

ゾンビ日常物という、珍しいジャンルなのではないでしょうか?

アニメでもそうでしたが、ゾンビだらけの学校でバリケードを守り、時には、ゾンビと戦い殺していく・・・という極限の中での、少女達の友情、青春、成長の物語ですね。

学園生活部の女の子達は、この映画が初演技とのことで、演技自体は「まだまだこれからかな」という感じはありましたが、でも、良かったです。
良い雰囲気が出ていました。

ただ、コミックスやアニメを知らずに、単にゾンビ物として見たら、ちょっとストレスかもしれません。

というのも、まだ、原作コミックスも連載中ですし。

映画の中では、「オチ」がないのですよね。

なぜパンデミックが起こったのか?
誰が悪いのか?
彼女達の未来は?

というのは、一切、明かされません。
アニメでもそうでしたが。

ただ、アニメの場合は、原作の展開の伏線が少し描かれていましたよね。

あれだけ街の機能が崩壊した中、ただの学校に、いつまでも、電気や水が供給されていることの謎。
大量の食糧の備蓄があったこと。
ゾンビウイルスのワクチンが存在していたこと。
それらから、彼女達の学校は、いざというときの避難施設に設定されていたのではないか?とかの伏線があって、ゾッとしたりもしましたが。

今回の実写映画版では、そういう伏線部分はバッサリとカットされてて。
映画の物語だけで完結している感がありましたので、そこは、ちょっと残念だったかな?



そうそう。
登場人物の中では、わたし的には、めぐねぇが、凄く好きでした。

原作のイメージ通りな実写版といいますか。

ほんわかとして、一見、生徒達とあまり変わらないような、頼りなげな若い教師だけど。実は、凄く生徒想いで、彼女達を支えていた所とか。

ゾンビに噛まれてしまった時、生徒達を襲う事のないように、自分の身体を縛り付けていたことが分かったシーンにはグッと来ました。

あっ。
めぐねぇに関するネタバレは、アニメを知っているからか、冒頭からすぐに分かりました。

皆で「いただきます」してる食事シーンで、めぐねぇも「いただきます」してるけど、彼女の前には、食事が置かれてなかったですものね。
あれで、「ああ・・・」と、すぐに察しました。


そして、ゾンビシーンも怖かったです。
ネタバレを知っているとはいえ、倉庫でいきなりゾンビに襲われるシーンや、バリケード崩壊のシーンは、ドキドキハラハラでしたよ。


コミックスやアニメを知っているかどうかで、賛否は分かれそうな作品ではありましたが、私は、面白いゾンビ物だと思いました。

原作の展開も気になっています。
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