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リトル・モンスターズのhorahukiのレビュー・感想・評価

リトル・モンスターズ(2019年製作の映画)
4.3
子どもには虚構を
大人には現実を!!

幼稚園の遠足でやって来た動物園でゾンビが大量発生!もし園児たちがそのことに気付いたら大パニックになってしまう…。引率の先生とその補助でやってきた園児の叔父の2人が取った手段は園児たちに「ゲーム」だと信じ込ませることだった。果たして園児たちを笑顔のまま脱出させることができるのか?って感じの未体験ゾーン2020。

めちゃくちゃ好き!こんなほっこりするとは思わなんだ…。個人的なツボを寸分のズレなくキッチリ押してくるほっこりポイントが何度もあって、ずっとテンション上がりっぱなしだった。子どもたちは可愛すぎるし、主演2人も魅力的すぎだし、ダメだった自分たちが「親になる」そして「家族になる」という覚悟を手に入れるハートウォーミングな落としどころが素晴らしい。更には反戦メッセージまでも訴えかける歌vs戦争。これはもうゾンビ版『サウンド・オブ・ミュージック』!

ルピタニョンゴさん演じるキャロライン先生がもう素敵すぎてサイコー!「プロ」というものをこれでもかと見せつけられる完璧超人。何が起こっても子どもの前では決して笑顔を崩さない。それでいて、子どもに対してネガティブな要素については鬼のような強さ&怖さで退ける。彼女と対比するように、子ども向け番組の人気者テディが出てくるのだけど、虚像としての人気者なんかよりも現場で現役バリバリで子どもを守る実像としての先生の偉大さを炙り出す。

先生と一緒に子どもたちを守ることに奮闘する園児の叔父デヴィッドは父親になることに自信を持てずにいるのだけど、めちゃくちゃ子ども好きで園児たちと触れ合うシーンのほっこり感がエグい!先生とデヴィッドの2人が、子どもたちに辛い現実から目を逸させ、ゲームという虚構を信じさせ続けることで、牙を向く社会から彼らを守る。園児という年代の子どもたちにとって、これこそがあるべき大人の姿だし、現実へとそのまま転嫁できる。子どもの前では、「大人」というもののプロになれ的な。

ラストあたりは賛否割れそうな気がするのだけど、あくまでも本作は子どもを守る手段としての虚構を打ち出した物語なわけだし、本作が批判する社会による暴力という現実は大人が対処すべき問題なのであって、そのイザコザを現実として見せつけることこそが子どもにとって害となる。起こってしまった争いという結果に対して、子どもの前で大人が取るべき態度はまさしく本作の示すものであるべきだし、虚構を貫いた本作は扱うメインとサブをしっかり意識した上での描き分けの結果なのだから、私は大正解だと思う。

現実vs虚構のお話なので、その間の温度差のズレを笑いに転換していくのが楽しくてめちゃ笑ったし、なりきりベイダーとか、ワニワニパニックみたいなゴルフとか虚構を虚構のまま楽しむ子どもたちとそれを害が及ばないように見守る大人っていう構図には笑いと同時に温かい気持ちにもなったし、なんかもう良くわかんないけどツボど真ん中過ぎてヤバかった!

好きすぎてBlu-ray買おうと思ったんだけど、もしかしてこれってまだディスク売ってない?Amazonで検索してもプライムビデオしか出てこない…😭あんまり評価良くない作品だからディスクなしなのかな…😱