山本

ニンジャバットマンの山本のレビュー・感想・評価

ニンジャバットマン(2018年製作の映画)
3.4
意外と面白かった……あまり期待してなかったのだが。冒頭のアーカムアサイラムの描写が雰囲気あってよかった。雷ピシャーン! 後景にゴッサムの暗い街並み! そういう雰囲気から一瞬で戦国の日本に移ってしまった。バットマンぽかーんとしてたけどこっちもぽかーんとするよ。で、あのジョーカーの面かぶった侍に囲まれる。あの面いいね。コナンの「迷宮の十字路」で工藤新一が工藤新一と名乗るシーンを彷彿としなくもない。しかしジョーカーのあのピエロメイクって見ようによっては般若の面みたいで、そこにバットマンと中世日本のマッシュアップを着想したんだとしたら面白い。それから煙幕を張りビルにワイヤーを射出しようと辺りを見回すも、そんな高いビルなどなく、かやぶきの長屋と長閑な青空が広がるのみ……ああいう科学の通用しない世界にいることを示す描写が細かい。

ともかくこの世界ではヴィランが戦国大名に成り代わってるらしいのだが、城がロボットに変形したりその城ロボットたちが合体したりとグレンラガンみたいな謎の勢いを増してくるあたりからついてけなくなった(試みとしては好きなんだけども)。こいつら……合体したらとりあえず強くなると思ってやがる! しかし甲冑猿がスイミーの如く合体し、さらにコウモリが合体して「コウモリ神」なるものに変化するというのはなんかもう勢いのなせる技である。そんな呆れるシナリオが続くも、天守の屋根上での1対1には手に汗を握った。あの迫力は日本のアニメならではだなあ。ダークナイトですらアクションは微妙という評判だった。アメリカでやってるアニメバットマンがどんな感じかわからんけど、とにかくこのシーンのアクション、というか殺陣はすごかったのでこのクオリティをぜひゴッサムシティでも繰り広げてほしい。コウモリで身代わりの術つかってバットマンがニンジャバットマンになる瞬間は素直にカッコよかった。それとジョーカーの演技もすごい……コナンで高木渉役を演じている高木渉によるジョーカー、すごかった……ダークナイトの感じとは違うけど、いやらしい喋り方するなあと。とにかくこのタイマンのシーンが良かったおかげで、中盤の中だるみも全て吹っ飛びました。そういうことで「意外とよかった」という感じでした。
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