MasaichiYaguchi

ニンジャバットマンのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

ニンジャバットマン(2018年製作の映画)
3.6
半村良さんのSF小説を実写映画化した作品で「戦国自衛隊」があるが、本作ではDCコミックのヒーロー・バットマンが、ジョーカーをはじめとしたヴィランたちと戦国時代にタイムスリップしたらどうなるかを、和風テイストとエンタメ要素てんこ盛りで描いていく。
事の発端は、ゴッサムシティに巣食うヴィランたちを集めて行なわれた実験に、それを阻止しようとしたバットマンたちも巻き込まれて、群雄割拠する日本の戦国時代にタイムスリップしてしまう。
本作を手掛けたのは「神風動画」なのだが、CGアニメーションで製作されたにも拘わらずタッチはセルアニメであり、また背景はキャラクターたちが戦国時代にタイムスリップしてからは、浮世絵というか、日本画のような風情がある。
だから、アメコミキャラクターたちが武将や忍者のようなコスチュームになっても違和感なく物語が進行していく。
とは言うものの、バットマンたちとヴィランたちとの戦いはパワフルにスピーディに、スケール大きく繰り広げられる。
そして、戦いでは時代考証を無視したガジェットが幾つも登場してワクワクさせてくれる。
特に終盤の方で展開するバトルは〝戦隊物〟を彷彿させ、子供たちに大受けするかもしれない。
今年は、日本のサブカルチャーを含めた文化や伝統をフューチャーしたり、リスペクトを捧げるハリウッド作品が幾つも公開されている。
この逆輸入した洋画のアニメ化作品は日本的ではあるが、その枠組みを飛び越えて自由奔放で奇想天外、ケレン味たっぷりエンターテインメントだと思う。