マクガフィン

ニンジャバットマンのマクガフィンのレビュー・感想・評価

ニンジャバットマン(2018年製作の映画)
3.3
バットマンのクールさとジョーカーとハーレイ・クインのカオスでブッ飛んだ対比が良く、アニメならではのオフビートな展開はエネルギーやバイタリティーに溢れて、ジョーカーをメタ的にしたようにも。ハーレイ・クインの妖艶さが少し足りなくて残念に。

浮世絵や日本画をモチーフにした斬新な背景やディティールの造形は、ケレン味が溢れる大胆な構図が骨太に。繊細にも描かれる自由な表現描写で、アニメとの相性が抜群に良い。仮面や時折見せる表情が髑髏のような廃れた雰囲気も好感。

「マインドゲーム」的な写実的美人画風になる、ジョーカーとハーレクインのコミカルで浪花節的なテイストが一変するシーンも味がある。密度が濃いハイテンションで疾走感溢れるアクションが多い中で、一旦気持ちをリセットする役割になるので効果的で、ジョーカーならではのクレバーな作戦にも。

ストーリーはどうせDCコミックスなので、流石にその場面ではそうならないだろう的な雰囲気や、葛藤を現代に置いてきたような心象描写が少ないこと、バットマンとジョーカーが何度も対決すること、ロボの造形のダサさや、キャラのステレオタイプな行動や経過などツッコミ所も多いが、アニメならではの独自な表現方法は興味が尽きなく、純粋に楽しめた。