回想シーンでご飯3杯いける

ニンジャバットマンの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

ニンジャバットマン(2018年製作の映画)
2.8
劇場公開当初は、日本側が強引に作った企画モノ丸出しな絵柄にドン引きしていたものの、先日「スパイダー・バース」を観て、この手の二次利用的な創作物もアリなのではないかと思えてきたこの頃。そのタイミングでNetflixにあがっていたので早速鑑賞してみた。

スパイダーマンやキャットウーマンを筆頭に原作のキャラクターが戦国時代の日本にタイムスリップするという設定は、この企画を映像化するに当たってなかなかナイスなアイデアだと思う。アニメの作画も、現代技術を使って、北斎風や水墨画風等の中世日本を思わせるアナログな質感を表現するという凝りようで非常に良い。

毛筆フォントの使用は「サムライスピリッツ」辺りのSNK製格闘ゲームを、城が変形してロボットになるのは「武者アレスタ」や「ぐわんげ」といった往年の和風シューティングゲームを思わせ、なかなかマニア心をくすぐる世界観になっている。

しかし一方で、昭和の劇画アニメや歌舞伎を思わせる台詞回しが、あまりに古臭くて閉口してしまった。バットマンだけは辛うじてクールな喋り方になっているものの、他については「このジョーカー様がぁぁ!!」と絶叫するジョーカーを筆頭に、原作を無視して日本流の風習を押し付けた日本スタッフの乱暴っぷりにがっかり。家来の猿の名前が「モン吉」っていうのも昭和過ぎるセンス。脚本を「グレンラガン」の中島かずきに担当させた時点で、もうこの路線は確定していたのだろうし、制作サイドとしては成功という認識なんだろうなぁ。

そこで、音声を英語に切り替えるてみたところ、台詞まわりの拙さを回避できて、バットマンらしさと日本らしさが共有する良いバランスになった。楽しみ方として正しいのか不明だけど、これならアメリカ人が観ても楽しいだろうと思う。