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名探偵コナン ゼロの執行人のJIZEのレビュー・感想・評価

3.0
東京サミットの会場を狙った爆破事件を発端に私立探偵,黒ずくめの組織,公安警察という"トリプルフェイス"の名を持つ安室透を巻き込み事態は思わぬ方向へ発展していく事件の全貌を描いた劇場版シリーズの第22弾‼冒頭で名探偵コナンという奥深い世界観を要約する毎度のお約束タイトルロールは全場面がデジタル仕様で型どられ今回の電磁障害,爆破コード,IOTテロとも関連付けられるなどハイテクという作品のテーマとリンクする演出はよかった。所感は主に今年の1月に観た「ジオストーム」ぽい内容。本作では"正義の複数ある在り方"に対して真っ向からコナンたちが向き合い対峙する。いきなり結論めいたことを言えば複雑化させる方向が単一的すぎる印象を受けました。いわゆる内容が2時間SPの内容から脱却できてない。主に"バーボン(安室透,降谷零)"という原作での核的な支柱を担う重要人物が序盤からガンガン絡んで来る割には謎,問題,関係性そのものがコナンたちのパートとはほぼ別の軸で処理されていってしまうため身に迫る恐怖や先を期待させるミステリアスな要素がぶっちゃけかなり薄い。もっと言えばこの内容で劇場版をやる必然性があったのだろうか。。序盤でコナンの携帯がああなるド定番のミスリードから終盤の人知を超越した身体能力の覚醒など最低限に元が取れる場面しか結局は映えてない印象を受けた。また今回の舞台"カジノタワー"の存在もああいう処理のされ方で終わってしまうのは不発感が否めない。あれ程の私有地に面した場所を登場させるなら殺人事件の一つぐらい起きてくれ…というように序盤で毛利小五郎が逮捕されるくだりや「ミッションインポッシブル」並の畳み掛け超人アクション以外は娯楽的に見込めない。いっそうコナンたちを登場させず公安だけを主軸にとるアナザー方向で構築したほうが成功したかも。終盤のハイウェイを走るハンドルさばきから安室の狂った顔が観れたのがゆいいつの救いだ。最終的にはTV放映の2時間SPでやりそうな作品でした。
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