アベ二ティKazumaAbe

名探偵コナン ゼロの執行人のアベ二ティKazumaAbeのレビュー・感想・評価

4.0
「観に行った人、老若男女問わず安室透の女になる!」との噂を聞きつけどんなもんかと鑑賞。結果終了時に「安室の女にはならなかったけど私たち“日本”になったよね!」と一緒に観た人と笑いあえるような作品になっていた。シリアスな笑いの質といい、コナンの映画ではかなり高水準な出来じゃなかろうか。

国の機関一つ潰してしまう程の憎悪の契機をコナンと共に観客に追わせ、そこで権力に踏みにじられる人々の悲哀を描き出す。“公安”という本編で何でもありをやってきた組織の虚を突く(ストーリー上のガバを利用する)攻めの姿勢や良し。

もはや安室透に出来ないことを探した方が早いのでは…?と思わせるスーパーマンっぷりには失笑するとこもあったけど、テンポが停滞してきたところで画的な面白さを繰り出してくるタイミングが思いの他良かったので◎。ワイスピにシンゴジラ、M.I.シリーズと様々なアクション大作からの引用も無邪気さを感じるくらいで丁度いい。

往年のコアファンからすれば、「あの人を囮にするのはちょっと無理あるよな…?」みたいな苦言があったりもするようだが、一本の映画として観た時丁度いい具合にお腹一杯になる作品だと思いました。