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アンダルシアの犬のMoviePANDAのレビュー・感想・評価

アンダルシアの犬(1928年製作の映画)
4.0
『意識下の自由』

ジャケットの“👁️ 👁️”のシーンの事は知ってて、なおかつ悪夢を具現化した作品と聞いて今まで観るのに臆していたのですが、意を決して観てみたらむしろ喜劇的な雰囲気すら漂う、まさに“自由”を感じる映画でした🎬

子供の頃から今までそれなりに映画を観てきたとはいえ、だからといって映画に理解が深いなんて思ってませんし、ましてやこの映画を「理解出来た!」なんて全く思ってません。ただ、単純にボクは面白かったです、この映画。嘘でもなくこのノリの長編でも全然観れる、というか観たい位...😏

ダリは好きで、諸橋近代美術館までダリコレクションを見に行った事もあります。テレビで特集なんかあったらやっぱり見ちゃう。そんな彼の作品からボクが感じるのは“自由”。とはいえ、シュルレアリスム=自由ってわけではなく、ひとつの要素として無意識を表現しているとはいえ、何でもありではないってとこがまた面白いとこなのですが...

サザンのデビュー曲『勝手にシンドバッド』。ラララ~ラララ~ラララ~でいきなり始まる歌い出しや、「今 何時?」の掛け声のパートを知っている人も多いことと思います。ちなみにその『勝手にシンドバッド』、発売当時はいろいろと賛否両論... 若者からは受けたものの、特に歌詞については金田一先生や日本作詩家協会の会長なんかが出てきて「意味が分からない」「日本語の美しさを乱す詞」なんてさんざん批判を受けたそう... とはいえ、今となってはこの曲は日本語ロックのエポックメイキングとして語られてます。ちなみに桑田さんは当時「こんなに批判されんのか❗️」と驚きつつ、反省はしなかったそうですが...w😅

で、この話から何を言いたいかというと、当然桑田さんは日本の歌謡史に革命を起こそうなんて思って、この曲を作ったわけじゃない。言うならば、出来た曲に一番“ノる”詞をあてようとしただけ。でも、結果としてそれがまさに言葉の“自由”を象徴するかの様な楽曲に化けた。受け手側がそこに大きな意味を見出だした、というところが面白いところ。

その点で、この映画も元々の出発点は“そこ”ではなかったかもしれません。この映画に意味を見出だすも見出ださないも、見出だそうとするも見出だそうとしないも受け手の自由。そして、それこそが映画の素晴らしいところだと思います✨

ちなみに、無意識とは意識が無い状態を意味し、反対に意識下とは意識できる状態を示すそうです。では、この映画とシンドバッドが作られた時、作り手はどちらの状態であったか?ボクとしては、意識下と見ましたよ🐼

ちなみに歌詞の「胸さわぎの腰つき」の部分は、ディレクターからも「意味が分からない」と言われたそうです😢その為、「胸さわぎ残しつつ」とか「胸さわぎの暁(あかつき)」という様なまだ意味の通りそうな詞に「変えたら?」と提案されたそうですが、我らが桑っちょは突っぱねました🤣さすがだ❗️よくやった❗️桑田さん‼️
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