元レンタル担当

交渉人の元レンタル担当のレビュー・感想・評価

交渉人(1998年製作の映画)
4.3
【とかげの尻尾切り】
秘密を知りすぎたが故に排除する…
責任を負うべき者が都合が悪くなると他の者に罪を擦り付ける…
といった構造及びTVを通してでしか情報を知らない野次馬が情報に翻弄される姿は現代社会においてもすごい核心をついているなと思いました。

そんな中で本編は…
交渉人が相棒殺しの濡れ衣を着せられて容疑者になったからまどろっこしいことは抜きにして人質をとって籠城しながら自分のペースに巻き込んで真犯人をあぶり出してやろうぜ…的な作品。

本来、真相は明かされることなく闇の中に葬られるという展開がセオリーなのに交渉という術を用いて自らが逃走するのではなく、黒幕を表舞台に引きずり出すという逆の発想がありきたりなサスペンス作品と一線を画した傑作サスペンスとなっている。
本編の最大の見どころは…
同業者同士のスリリングな心理戦であろう。
お互いにプロだからこそ小手先だけのテクニックは通用せず、いかに自分のペースに引き込んで主導権を握るかという高次元な駆け引きが最大に面白くしている。

個人的にすごく参考になったのは…
本編で登場した数々の交渉術は実際の緊迫した交渉現場でも少なからず類似する部分があるだろうと感じたこと。
全てがフィクションではなく、納得させられるからこそ余計に現実味を帯びていると思う。
そして、物語の終盤でお互いが協力して
汚職の証拠を見つける為に一芝居打つのは、まさに交渉術の真骨頂を目の当たりにした気がする。


『シェーン』のことさ最後に死ぬんだよ

〜それでは皆さんいい夜を🌙〜

※ 録画していたのを鑑賞(WOWOWプライム)
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