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結婚まで1%のSPNminacoのレビュー・感想・評価

結婚まで1%(2017年製作の映画)
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お互いしか知らずに満足するより、他の人とも試してみようと思い立ったアナとウィル。目的はセックスだけだし愛し合ってるから大丈夫と言いつつ、モヤモヤして落ち着かない2人。それと並行して描かれるのが、養子縁組をめぐってすれ違うゲイカップル。2組の長年平穏だった日々は、一旦その歯車を止めるともう元には戻らない…。
同じ店、知り尽くした関係、予定された新居とプロポーズ。何度かある俯瞰や逆さまの構図は、先への漠然とした不安ともう一人の自分。目の前の相手に踏み切れないのは、結局自分に自信がないからで、かと言って変化や逸脱は必ずしも幸せを保証しない。欲しいものがわからないけど、欲しくないものはわかる…って残酷だ。でもそれは裏切りではなくて、夢から覚めた現実。
一見ロマコメと思わせておいて、『卒業』パターンから更に容赦ないエンディングまで一直線だった。それでも主演レベッカ・ホールとダン・スティーヴンスが嫌味なくチャーミングだからこの展開が成り立つ(何せ思い立ったらすぐ別の相手見つかるし)というか、だからこそ苦いというか。とりわけレベッカ・ホールが巧い。決してバッドエンドとは思わないし、ザラついた後味が残るエンディング曲“New Years day”がまた良き。
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