野中知樹

ルームロンダリングの野中知樹のレビュー・感想・評価

ルームロンダリング(2018年製作の映画)
4.1
酒とタバコと優しい死

事故物件に入居して、部屋をクリーンな空き部屋にするルームロンダリングを生業とする少女の話。その少女が実は霊感がありまくりというところから、話が転がっていくのだが。。。

ホラーのように思われるかもしれないが、内実はハートフルコメディー。なかでも、登場する幽霊達のイキイキさ(監督のインタビューでもあったが)が本当に愛らしく、その存在に親近感さえ湧いてくる。中でも「死んでいる」という表現が切実に現れた酒とタバコのシーンはお気に入りだった。

また脚本のユニークさもさることながら、柔らかく温かみのある映像とクラシカルなラグタイムの音色に何時間でも観ていたくなるような居心地の良い映画だった。
野中知樹

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