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ルームロンダリングのminorufukuのネタバレレビュー・内容・結末

ルームロンダリング(2018年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

18歳で叔父に引き取られたヒロインは、叔父の手引きで事故物件に一時的に住み、その次の入居者への事故の告知義務を無効にするという仕事を始める。彼女は死者の霊を見ることができ、物件に憑いている霊と毎回共同生活を送ることになるのだが…という話。最近までやってきたドラマ版は未見。
これまで住んでる家のほとんどに事故物件疑惑のあった(今もか?)僕が、是非観たいと思っていた映画。

事故物件の映画は過去には「残穢」「怪談新耳袋 幽霊マンション」などのホラー寄りの作品が多かったように思えるが、本作は愉快なキャラクターたち(幽霊含む)の日常を描いたコメディとなっている。霊感と生い立ちの影響で極端なコミュ症になっているヒロインは、叔父以外の家族とはほぼ喋らないが幽霊には少しだけ心を開くという人物設定。その何事にも後ろ向きな彼女が、幽霊たちの悩みや事件と関わる中で少しずつ成長していく様をコミカルに描いていた。終盤には彼女とその家族との深い愛情のエピソードもありホロリとさせられた。割とざっくりとした作りの映画で粗も多いし、下手な演出も散見された。主人公が難事件を解決するといったミステリー要素も無いので深みはないけれど、でも、そのぶん気楽に楽しめる作品だった。僕好み。
主演の池田エライザが地味で暗いヒロインを好演。どんなダサい服着ても見た目は可愛い。叔父役のオダギリジョーは彼らしい脱力感満載のうさんくさい男を演じていてはまり役だった。ポスターとかでヒロインが抱えてるアヒルは何なのか?と思っていたら意外な用途だった。
明確な法律は無いようだが、今の風潮だと一度誰かが住んでも事故物件の告知義務が無くなるとは言えないみたい。
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