トンビ

千と千尋の神隠しのトンビのレビュー・感想・評価

千と千尋の神隠し(2001年製作の映画)
4.3
言わずと知れた名作。
VHSテープだった時代に、繰り返し何度も見ていたのをよく覚えている。

小さい頃は、なんとなくで面白いなぁと思い見ていたが、
ある程度大人になってから見ると、色々考えさせられるものもあり、
非常に味わい深い作品だと感じる。

そんな今作は、
千尋の成長を描いた作品でもある。
不思議な世界での体験を通じて、
どこかドジで、頼りなかった千尋が
周囲を驚かす行動をとるくらいに、
立派な姿へと成長していく。

これといって優れている部分があるわけでないが、誰に対しても平等で優しい千尋の姿からは、どこか勇気をもらえる。
余談にはなるが、女走りがかわいいかった。笑

そして、他の登場人物も魅力的なキャラばかりだ。
最初はあまり好きになれないキャラだなと思っていても、話が進むにつれて、
不思議と憎めなくなり、好きになる。
特に、リンの物怖じしない、千尋の姉貴分みたいなキャラクターはお気に入りだ。

また、一見すると悪役に思える湯婆婆は、
そんなに悪い人ではないのでないかと思う。
すべてとは言えないが、言ってることは正しいことが多い気がする。

さらに、ユニークなキャラばかりに目が行きがちだが、ジブリならではの美しい情景も忘れてはならない。
ジブリが魅せる光景には心が洗われる。

そして、見終わった後の時間も楽しめるのが大きな魅力だろう。
一つ一つの描写に、凝りに凝られた背景や裏話が存在するのは、ジブリファンの方なら周知のこと。
そんな仕掛けを調べたり、その描写を思い出して重ねたりすることで、また一段と楽しむことができる。

話がわかっている状態で、何度見ても、
楽しめる「千と千尋の神隠し」。
いつになるかはわからないが、また今作と出会えることを楽しみにしたい。
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