おばけシューター

千と千尋の神隠しのおばけシューターのレビュー・感想・評価

千と千尋の神隠し(2001年製作の映画)
4.5
2024/2/3 また観たので記録

・最後、たくさんの豚の中に両親がいないことがわかった理由
…髪が無かったから…というのは冗談で、この点は湯婆婆との関係について立ち返る必要がありそうです。湯婆婆は全ての人を支配しようとする存在です。方法は名前を奪ったり、呪いをかけたり。坊も支配の対象です。しかし千尋は名前を思い出し、ハクは呪いを解かれ、坊は自分の足で歩き、各々が支配から逃れることになりました。
最後のやりとりはその象徴で、もう支配されない千尋は、懲りずに意地悪な問題を仕掛け再び支配しようとする湯婆婆に負けることはないのです。
あと髪がないからです。

・どのくらい時間が経っていたのか
実際に長い時間経ってたとすると、その後の生活なんかが無駄に心配になるので、千尋にとって長い時間だったという表現だったと解釈します。だってそうじゃんね!

・「カマじいにお礼言ったの!?世話ンなったんだろ!?」のあと千尋が頭ぶつける音に顔を覗かせるリンが良すぎる

・両親の暴食シーン、繰り返し観てて気づいたけどお父さんがあのブルブル(バーワン)吸ったあと飲み込み切らないうちから片手に持った春巻きを口に近づけるの、さりげない所作だがガツガツ食べてる説得力高めてる。ジブリらしいこだわり。

・湯婆婆がホワイト社長とよく揶揄されるが、社員の利益のためなら「さあてもこの世にきわまれる♪」と自ら道化になる中間管理職の兄役もなかなか。足の裏の汚れがグッとくる。

・あの魔女はこえーぞ発言よりカマ爺は銭婆を知っていた。電車の回数券を持っていて銭婆の家の駅を知っていた(銭婆のところに通っていた可能性)。このことから、銭婆とカマ爺は元恋人説、あると思います!モロと乙事主とか、パヤオ好きだもんねそういう含み。


以下過去分

実家からDVDを借りてきて改めて鑑賞。レビューやりなおし。気になったところや考察なんかを適当に書いてみる。

・タイトルシークエンス、サントラが完璧すぎる
・豚にされたとはいえ、神々のための食べ物を味わえた両親は勝ち組では?
・車の窓に一瞬映るトンカツ屋やクリーニング店も現実にある店のトレースとのこと。特定した人が凄すぎる(笑)
・豚になった父親をハエ叩きではたいてた店員が一瞬だけはっきり見えるが、その姿は蛙!湯屋で働いていた男たちの成れの果てでは?
・カマじいは蜘蛛のような姿であるが、他にそのような男はいない。電車の切符を持っていたし、彼もまた遠い世界から来た存在?謎が多いのにミステリアスではない絶妙なキャラ感
・「チビども!ただの煤に戻りたいか!」のセリフから、まっくろくろすけ達はキツい仕事を続けてでも生き物であり続けることに固執していると読める。興味深い
・他の職員達、給与をもらっているのか?みんな砂金は欲しがっていたが、プライベートの概念はあるのだろうか
・「一番辛いキツい仕事」は、後半に出てくるハクが捨てられかけたダクトの底にいた彼らの事(廃棄物や下水処理)かなぁ。亡霊のような姿は先述の店員と同じく長くい続けた職員の姿と想像する。

キリないので続きは次回鑑賞時