たなかたか

千と千尋の神隠しのたなかたかのレビュー・感想・評価

千と千尋の神隠し(2001年製作の映画)
5.0
幼い子供がどんどん自立していく様はなんでこんな
感情移入してしまうんだろう。
どれだけ泣いてもごねてもどうにもならない
自分で動かなきゃ何も始まらない
怖いものだらけで逃げ出したいが勇気を振り絞って進むしかない
世界って本当辛辣で生きるのって難しい。
生活してて私は度々そう思うので
生きていく大変さを面白おかしく表現して成長過程を描く作品を見ると
めちゃくちゃ共感して泣ける

初めて最初から最後まで見ました(多分)
ジブリって金ロでやられすぎて記憶がごちゃりますよね

初めの車のシーンの色合いが綺麗で好きです。
みんなが思う「幼少期の記憶の色」で描かれてていい
あ〜あったなあこの景色って思う。私の家は車がなかったからそんな景色ないはずなのに。
改めて見ると序盤に子供特有の鋭さや大人の厚かましさ、
が丁寧に描かれていた!
ここで私は「これマジで白い紙から生まれてんの??」と
感動した!!!!

ジブリってマジですげえ!!!!!!!!
これが世界に存在してるのまじすげえ!!

久しぶりにハクを見たら全然印象違った
昔はかっこいい!!とかちひろのこと好きなんだな!!とか
そういうことしか思わなかったけど
22歳になった今だとなんて冷静な子なんだ…と驚く…
後お兄ちゃんぽいなあと若干感じていたんですが
岡田斗司夫の考察読んでびっくりしました。マジで?

世界が愉快でグロテスクですよね。
はやおさんの造形、世界観、物語は代償がちゃんとあるというか
全てがリンクして「今」が起きていてるので
作品の世界にいつの間にかのめりこんじゃいます。
千と千尋は10歳の娘さんたちへの作品らしいので
あの世界観はアリスと通ずるものがあるなあと思いました。
真剣に見たら
なんなんだこのちぐはぐな建物とか
キャラクターたちの突拍子もない行動が割とあるじゃないですか
そもそも神様の温泉って?!とか湯婆婆って何?!とか
なんで黒いすすたちが動いてんの?!とか
こんなヘンテコなキャラクターたちが大量で出てきて割と情報過多
なのに全然置いてけぼりにならない。
世界観の練りこみが半端じゃないのと
リアルで生きる私たちの生活やシステムを本当にうまいこと
置き換えて演出してるから
行った事のない場所 聞いた事のない仕組み
なのにここまですんなり入ってくるんだと思いました。

乾燥なっげぇな!!

昔は油屋の人たちに対して嫌なやつら!と思ってましたが今見ると
そうそう職場ってこんな感じ!!ってなった。
釜じいやりんさんにもすごく共感できたので私も大人になったなぁ…と実感。
最初はおどおどして階段もまともに降りれなかったちひろが
危機一髪配管渡りをしていて泣きました。

改めて見ると千と千尋怖い世界観ではありますが
登場人物全員可愛らしくて情に溢れてますよね
ゼニーバ出てからはずっとずっと泣いちゃった
坊のことがすごく嫌いだったけど
今はすごく好きです。ウチに籠るのつまんないよね
外を知ってのウチの素晴らしさだもんね。

月が浮かぶ夜空に龍の背中に乗って飛ぶ女の子
最高だ…!!!
なんかのインタビューで
アニメができることは少ない ってのを見て
確かに…って悲しくなったけど
この作品を見て
他の媒体では代用できない唯一無二のものがアニメでは作れると思った