るうぶる

千と千尋の神隠しのるうぶるのレビュー・感想・評価

千と千尋の神隠し(2001年製作の映画)
5.0
用意周到、準備万端、ガチで鑑賞、劇場でジブリの2作目!千と千尋の神隠し!なのに隣の高校生カップル、普通に喋っとるがなっ!うるさいがなっ!ウンコ踏めっ!

いや〜、何回観ても湯婆婆は強烈で愉快で最高に可愛い!!かめはめ波や、火吹きシーン、肩震わせて笑ってしまった。見事なコメディアンヌです👏 外見に意識が持っていかれがちだけど、メッチャ頼れる上司だしね!
他の登場人物のキャラ立ちも素晴らしい!でも…だって…といわない頑張り屋さんの千。釜爺に「グッドラック」ってサムズアップしてもらったら何でもできそうな気がする。リンさんは先輩にしたいキャラNo. 1。大根の神様の足音がキュートすぎ。初めて外に出た坊ねずみがピョンピョン跳ねて興奮してる(千がカオナシに大人しくねって注意してるそばからw)。そしてハク、結婚してっ!!

観終わって、何やら既視感を覚えたんですよね。外から内を冷めた目で眺めて、皮肉を込めて笑っている感じ。そして、子どもが逞しく、柔軟に、成長していく様。そうっっっっ、ジョジョラビットだっ!タイカのジョジョラビットと被るんだ!!うんうん、好きだ!!!

以下はタダのmyメモ_φ(・_・

・表テーマは少女の成長譚、裏テーマは当時金儲けに走っていたジブリへの批判と宮崎駿の私小説でもあり、アンチ鈴木敏夫の話
・鈴木Pの宣伝手法は、本質をわかりやすくキャッチーに歪めてしまう週刊誌的手法であり、本作は風俗産業を描こうとした、との鈴木Pの宣伝をそのまま受け取られるのは宮崎監督の意図しないこと
・赤いトンネルの上の看板には「湯(油)屋」とある。舞台は、神様の土地を切り崩してつくった温泉のテーマパーク跡地
・この世とあの世の境にあるこの場所は、時間の流れが10倍速い
・どんな奴でも意欲があれば仕事を与え、新人にも優劣をつけず、手柄があれば褒め、理不尽な客には上司として自ら撃退する→素晴らしいホワイト企業のトップ!それが!!湯婆婆!!!
・油屋の建物は“擬洋風”。下部がコンクリで上部が木造。ジブリは日本のアニメーションをつくっても、西洋の技法にのせてるだけ、という自虐メタファー
・食べ物に釣られて豚になる両親は、金、仕事のために宮崎監督にホイホイ近づく大人→つまり、本作に出てくる食べ物は、金のメタファー
・海原鉄道のシーン=アニメ「銀河鉄道の夜」の、もうすぐ皆んなが死の世界に行く場面のオマージュ(構図がまんま)
・宮崎監督がずっと書きたいと願っていたテーマこそ、宮沢賢治の真骨頂である「自己犠牲による、他人のための幸せ」
・幼い千尋を川から引き上げた腕は、千尋の兄の腕で、兄が溺死し、千尋が助かった。その兄がコハク川の主(まだ神にはなっていない)となりハクとなった。
・母親の態度が千尋に冷たいのは、千尋の代わりに兄が死んでしまったことを引きずっているから。無意識で千尋を許せない
・初めはボーーーと生きていた千尋が、最後には「私は誰かのおかげで生きている。私も誰かのために生きよう」と生まれ変わる
・「私は少女たちに『大丈夫、あなたはちゃんとやっていける』と本気で伝えたくて、この映画を作ったつもりです」(宮崎駿談)という監督の想い、表テーマに見事に帰結
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