ケンタロー

スパイダーマン:スパイダーバースのケンタローのレビュー・感想・評価

4.5
こんなアニメ見たことない!っつーか、どこか別の次元からきたかのようなアメイジング・アニメーション!
「 Σ(゚Д゚) スゲェ…」
「(゚∀゚) スゲェ!」
「\(◎o◎)/すッげ!」
「(@_@。しゅ…しゅごーーーーーーッ!」
いったい何度口にしたか、心に思ったことか! ひっさびさに夢中になった。ほとんど余計なこと考えなかった。

1st IMAXレーザー3D 字幕 21MAR19
2nd 2D 吹替 25APR19

アニメーション表現の最高レベルであることは間違いない。SONY PICTURESの底力っつーか、気概とか先駆者であれっていうスピリットをビリビリと感じた。
正直に言って『ヴェノム』エンドロール後にやたら長いオマケを見せられた時は、SONYったら必死な!そこまで宣伝したいか⁉…なんて、やや興醒めしたりもしたんだけど(そう感じた人は少なくないみたいだし、自分としてはSONYはもう『アメイジング〜』の時のような中断するような無念な思いはしたくなくて必死なんだよな…って思ってた)

でも、それは誤解であったのだと思う。本作を見ればわかるが、これはSONYの自信の表れだし、少しでも早く、そして少しでも長く観客に体験してもらいたいという強い願いからの勇み足だったんではないだろうか…(笑)

それくらい本作のアニメーション技術は凄いんだ。SONYやコロンビアのロゴから始まって、エンドロール後のオマケまで、一切の妥協無く、その表現方法は徹底的にカッコ良いし、アイデアと愛に溢れている。監督をはじめ一人一人のクリエイターのこだわりやセンスがみっちり詰まってて、ワンカット、ワンカットの情報量がハンパない!!! 
今後、アメコミの大作アニメ映画化って企画があるとしたら、本作はとてつもなく高い壁になるだろうし、一つの指標になるモノだと思う。

驚くべきはアニメーション技術だけじゃないところが本作の魅力で、こんなにも上手にスパイダーマンというキャラクターとテーマを紡いでるストーリー構成が実に見事。スタン・リーらクリエイターがマーベルヒーローたちに託してきたメッセージやビジョンがしっかりと表現されている! 痛快なアクションはもちろんのこと、時にウェットで、そしてウィットに富んだキャラクターたちの掛け合いは見ていて飽きることがない♪

次元を越えて集うスパイダーマンたち、緩急自在の展開にマッチした楽曲のチョイス、マーベルコミックやこれまでの映像作品への愛に溢れたオマージュなどなど、とにかく情報量と密度がエライことになってる(笑)

既視感というか似たような感覚を覚えたのは最近の作品では『レディプレイヤーワン』『シュガーラッシュ オンライン』だろうか。アレに似た多幸感や充足感を得られる。

これらの作品に共通しているのは「繋がり」。仮想世界やネット社会、そしてもしかしたら別次元において、本来、人は国籍や性別、人種や宗教という隔たりを越えて、お互いを理解し合い、自己と他者を認め、支え合う関係を築きたいと願っている(と思いたい)、だのに相反して現実世界では争いは絶えず、世界情勢は憎しみの連鎖や報復の繰り返しで悪化の一途を辿っているわけで…。

スタン・リーらクリエイターたちが描き続けている真のヒーローと、その想いがより多くの人たちに伝わることを願いたい。なんて言ったりしてみる(笑)