しぇんみん

僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ~2人の英雄(ヒーロー)~のしぇんみんのレビュー・感想・評価

3.7
『僕のヒーローアカデミア』

舞台は世界の人口の8割が超常能力「個性」を持つことが当たり前となった世界。

そこでは個性を悪用する犯罪者「ヴィラン」を取り締まる「ヒーロー」が憧れの職業となっていた。

最高のヒーロー「オールマイト」に憧れ、ヒーローとなることを夢見る少年、緑谷出久(みどりやいずく)。

だが、彼は生まれつき何の能力も持たない「無個性」だった。

これはヒーローを養成する雄英高校に入学した緑谷少年(デク)が、「最高のヒーロー」になるまでの物語である。

『2人の英雄』

数々の難関を乗り越え、何とか期末試験も終わり、夏休みの林間合宿を控えた雄英高校1年A組の面々。

デクとオールマイトは、ある人物からの招待を受け、海上の巨大都市「I・アイランド」を訪れていた。

そこでは、まさに世界中の研究者たちの英知と数々の研究成果を展示した「I・エキスポ」が開催されていた。

そしてデクは無個性の少女メリッサと出会う。

彼女にかつては同じ無個性だった自分を重ねあわせるデク。

だが、最強のセキュリティを誇るアイランドがヴィランに掌握され、島内全ての人間が人質に獲られてしまう。

いま、ヒーロー社会を根底から覆しかねない「ある計画」が発動する。

その鍵は平和の象徴オールマイトが握っていた...。

本作は、大人気コミックのTVアニメ劇場版第一作だ。

雄英高校の人気キャラの紹介的だったり、サイドストーリー的な位置付けだったりではあるが、原作の熱量を孕んだまま、各キャラクターを活写した佳作となっている。

デクは、オールマイトから受け継いだ個性「ワン・フォー・オール」がまだ使いこなせず、使用する度大怪我してばかり。

しかし、メリッサが提供したサポートアイテム「フルガントレット」のおかげで、劇中限界以上の性能を発揮できるようになる。

やはり外連味たっぷりに必殺技を繰り出し、縦横無尽に活躍する主人公を観るのは気持ちが良い。

また、アニメ本編では描かれていないオールマイトの若き日の物語が挿入されている。

世界的科学者である親友デヴィットとバディを組み、アメリカの市街でヴィランとの攻防を繰り広げるオールマイトの姿は、文句なしに格好良いの一言だ。

「どのような状況であろうと、助けを求める人は見捨てない」という確固たる信念も、この当時から見て取れるのがうれしい。

そして、ラストバトル。

デヴィッドをも巻き込む驚愕の真実が判明したあとの、オールマイトとデクの共闘は興奮必至だ。

ワン・フォー・オールという同じ個性を持つ二人。

個性を制御できず必死に戦うデクの姿に、若き日のオールマイトの姿を重ねたデヴィッドは、自分の考えの間違いに気付く。

このシーンは原作ファンの心に響くものだろう。

原作の熱量を程よく溢れさせる内容は満足の一言だ。

ハナマル!

2020/07/19
しぇんみん

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