勝沼悠

FAKE ディレクターズ・カット版の勝沼悠のレビュー・感想・評価

5.0
 ゴーストライター騒動後の佐村河内守氏にジャーナリストの森達也が密着。

 佐村河内守、なぜ謝罪後に元の長髪サングラスに戻した。彼単体ではなく、手話通訳を兼ねる奥さんと猫のワンセットとして撮ることによって被写体としての魅力が何倍にも増している。
 メディアに攻撃される人を通してメディア批判のメッセージを持つように最初は見える。バラエティ番組の出演依頼のやり取りはかなり腹立たしい。しかし、耳が聞こえるかどうかはさておき、作曲をしていなかったことは真っ黒であって、外国メディアの取材シーンでは責められてばかりでかわいそうな佐村河内守さんのイメージは全く感じられない。
 作曲から最後の質問までの流れは見事。佐村河内守もノンフィクションも虚実入り乱れたものであり、だからこそ面白いのだと思う。
勝沼悠

勝沼悠