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欲望のkekqのレビュー・感想・評価

欲望(1966年製作の映画)
2.8
イキり倒した売れっ子カメラマンが美女に囲まれてわちゃわちゃするお話。1967年のパルムドール。

歴史的に積み上げられた映画のセオリーからわざと逸脱し、独自の解釈で再構築された作品という印象。思わせぶりで意味深(風)な表現が多く、ファッションや音楽にも当時のアートシーンの最先端が感じられます。

ただいかんせん普通の見方をすると、どこまでも性格の悪いお兄ちゃんが次々と現れる美女とエロいことをしながら怖くもなんともないミステリーに巻き込まれていくストーリーが毛ほどもおもしろくなく、ここに食いつけるかどうかで後半の不条理パート(主人公の髪が伸びたり縮んだりする!)の良さが全然違ってくるのかと思います。

90年代に量産されたペラッペラの日本産おしゃれ映画の源流という感じです。ヌーヴェルヴァーグなどもそうですが、当時の"常識"を破壊する感覚や、映画そのものがカルチャーを担っていた作品は解釈が難しいですね。
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