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欲望のsonozyのレビュー・感想・評価

欲望(1966年製作の映画)
3.9
イタリアのミケランジェロ・アントニオーニ監督、初の英語作品。
1967年のカンヌ国際映画祭にてパルム・ドールを受賞。
タイトル&ジャケ買い的に観賞。
原題は「Blowup=写真を引き伸ばす」

1960年代中盤のロンドンが舞台。
貧民街から出てくる集団の中の一人の男。
実は写真集のため、貧しい格好をして入り込んでいたスター・カメラマン(デヴィッド・ヘミングス)。
主役の彼が画面のほとんどを占める作品です。

彼は、ロールスロイスのオープンカーに乗り、スーパーモデルの撮影や、モデル志願の女の子2人に追っかけられている。
(この2人の60年代ファッションがキュートなんですが、1人は20歳前後のジェーン・バーキン!)
撮影は衝動的/抑圧的で、モデル達に目を閉じて待ってろ!と言い放ち、どこかへ出かけてしまったり。
別居中の妻がいたり、友人の画家の恋人から慕われたりしているが、私生活は見えない。

ある日、公園で気ままに撮影をしていると、あるカップルが目に入り後を追う。
不倫の匂いのする2人を木陰から盗み撮り。
それに気付いた女性(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)はフィルムを返して!と彼を追い、彼のスタジオへ。
彼は違うフィルムを渡して彼女を追い返し、フィルムを現像する。
すると写真に何か映っていることに気付き、気になる部分を引き伸ばしてスタジオに並べていく。
そこに映っていたのはなんと・・・

冒頭と最後に出てくる、ジープに乗って浮かれ騒ぐ道化メイクの若者(パントマイマー)たち。
骨董品屋で木製の大きなプロペラを衝動買いしたり・・・と、
エンディング含め、意図が分からない要素もありますが、サスペンス的な展開と、イタリアの監督から見た60年代ロンドンの空気感/ファッションを楽しめました。

ヤードバーズ時代のジミー・ペイジとジェフベックが見れたり、音楽をハービー・ハンコックが担当していたりと、音楽ファンにも堪らない作品です。
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