タラコフスキー

欲望のタラコフスキーのレビュー・感想・評価

欲望(1966年製作の映画)
4.9
アントニオーニがこの作品でパルムドールを受賞し三大映画祭を制覇することとなったが、その偉業達成に相応しい傑作。

一応写真に纏わるサスペンスを本筋としているけど、それ以上に写真気狂いな主人公の所作やその変化、そしてゴダールやスコリモフスキ等ヌーヴェルヴァーグ的監督らに触発されたかのようなハイセンスな演出の数々が素晴らしく、特に冒頭のお洒落すぎるタイトルや最初見たら絶対気づかない主人公の登場シーンは何度見ても痺れる。

写真を撮る主人公が逆にこちらの観客に見られる皮肉的構図や演技指導をするかのような描写を撮る妙等意味合いが興味深いシーンも多く、中でもヤードバーズのライブシーンやラストシーンには不可思議かつ哲学的で強烈な印象が残った。(この描写の数々について考察したコメンタリーもとても勉強になって有り難い)

アントニオーニはこの作品から作風がヌーヴェルヴァーグ的なものへ若干変わっていくけど、以前のネオレアリズモ的重みのある作品群とは趣を異にした新時代的作品群も、色々考えさせられる描写が多くて良い。