矢吹

名探偵ピカチュウの矢吹のレビュー・感想・評価

名探偵ピカチュウ(2019年製作の映画)
3.8
期待値がタイトルから企画からライアン・ゴズリングまで諸々の要因で、低すぎたというか、愛を持って低く設定して、しっぱなしで、一生見るはずもなかったけれど、まんまとやられた。

僕の愛した、幼少期の何千時間を費やしてきたポケットモンスターがね、リアルに描かれるっていう、エンターテイメント性の面白さは圧倒的であるのだ。とにかく。これだけで、十分なのだ、そんなことは見る前からわかってた。
もう最近のはやってないからわかんなくとも。
問題は、ただ、この人間とポケモンの共存という、積年の夢を、叶えてくれる舞台において、ハリウッドが作ってくれるって機会なのに、「名探偵ピカチュウ」なんていう無駄な要素を足していることだけだったからね。
見ながらも思ってた、普通に、冒険して、ジム挑戦して、バトルさせておいてくれたら、それだけでどんなにワクワクできる映画だったかと。
これ以上いらねえ謎解き要素をわざわざごちゃごちゃさせたりしないでくれよ、と、その整合性の話とか無茶苦茶でいいから、人間のつまんねえ会話を1秒でも減らして、一匹でもポケモンを多く出せ、と。思ってた。序盤までは。
この探偵モノ、推理や展開や伏線がね、お粗末な子供向けかと思いきや、違うんです。犯行の中でねポケモンとかいう超能力が関わってくるから、ファンタジーとしての、そういうことかの連続でして、推理小説やサスペンスのような丁寧な描写はなく、こいつはこう言う技が使えるから、この事件は成立すると言うパワープレイ。そんなのアリなのかといいつつも、そいつはその世界で存在するのだから、トリックとして成立するのだ。そこが楽しかったりするのだ。
刑事ドラマ界でいうと、こいつは「SPEC」に分類される面白さなのだ。すごく荒くいうと。超楽しいかもね。
納得いかないけど、騙されたって気分にだけはさせられる。そのくせに、見終わってからのあれどうなってんだよという心配事も多すぎるという。緻密な脚本。恐れ入った。
ふざけんなと思いながらも笑っちゃうしかないと言う。
ポケモン好きな、好きだった、友達とバカにしながらツッコミながら見るといいです。
あと、W杯とかで次の試合まで2時間ぐらいあるな、暇だしみんなちょっと眠くなってきたし、寝ながらでもなんか適当につけとくかって時に見るといいです。あなたはきっと騙される。いや、あなたは既に騙されている。騙されたと思って。ってやつ。

バリヤードの可愛さに、
この映画の全てが凝縮されています。
後普通に、CG作るのとか、ディテールの詰め方とかめんどいのか知らないけど、出てくるポケモンの種類が少なすぎる。街に出てくる分布とかの環境問題だけリアルにすんな。
絶対誰かがちょっとめんどくさがった。

なんか、この世界観だったら、
まじで普通に連ドラにして、
フォーマットをてんから、
ある犯罪が起きて、この犯罪が成立するポケモンの使い方なんかを推理する形にしちゃえば、12話ぐらいは余裕で見たいし見れると思うけどな。事件のスケールも小さくていいし、キャラ毎の会話劇というかやりとり劇でも引っ張れるし。
そう言うのはあるのか普通に、名探偵ピカチュウってそもそもはそう言うアレなのか。知らんくてごめんなさい。
次回作、ないらしいけど、僕は普通に見たいです。
とにかく、なんならやっぱり、普通にバトルとジムとポケモンマスターを目指す話でやってほしいです。やっぱりそっちでお願いします。
都会と、自然と、日常の世界にポケモンがいるだけで、その映像だけで嬉しいのだから。
竹内涼真くん主演でも、もういいので。
矢吹

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