白瀬青

名探偵ピカチュウの白瀬青のレビュー・感想・評価

名探偵ピカチュウ(2019年製作の映画)
3.7
ポケモンGOをやっていて(というかGOしかやったことがないのですが)なんにもない道端にぽつんとたたずんでいるポケモン、まるでスタッフですよみたいに公共施設やお店の中にわらわらといるポケモン、街の片隅に突如現れるジム、これって現実に存在していたらどんな感じなんだろうと妄想したことはないでしょうか。
ポケモンが日常の中にいる風景、それを映像化しちゃったのがこの映画なのです。
駅から降りればそこは道路で居眠りしているポケモンや犬猫のように人間と暮らすポケモン、能力に見合った仕事をもらって公共の仕事を手伝うポケモン、さまざまなポケモンが日常に溶け込んでいるのです。
本当に街に犬や猫がいるみたいにポケモンがいて、「恋人はまだいないの」みたいなノリで「まだ(ポケモンの)パートナーがいないの?」と聞かれる――そんな街ライムシティ。
そこで失踪した父親の行方を、父親がパートナーにしていた記憶喪失のピカチュウと一緒に探すうちに、ポケモンを凶暴化する薬の陰謀に巻き込まれ、闇ジムや怪しい研究施設で大暴れ。
ポケモン抜きでも程好いスリルとアクションのある冒険譚としてしっかりした話になっており、そこにぴったりのポケモンをそつなく組み込んできます。
これでもかと死亡フラグを踏み抜きながら謎の強運でことごとく成功して生還しちゃうヒロインを面白いと思うかイラッとするかで感想が分かれそうな気はしますがポケモンへの理解も深く、それでいてポケモンを知らなくてもわくわくして可愛い、よくできたファミリー映画には違いないです。

もふもふで表情豊かなモンスターを動かして違和感のない実写映画にしてしまうのだから最近のCGはすごいもんです。
ピカチュウがとにかく可愛い。しかしこんなに有能そうに出てきて声が西島さんの探偵なのに役立たず! オッサン! しかしそこがさらに可愛い!
白瀬青

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