叡福寺清子

アンダー・ザ・ウォーターの叡福寺清子のレビュー・感想・評価

アンダー・ザ・ウォーター(2017年製作の映画)
2.5
設定は面白いし海面上昇によるディストピアの風景も大変よい感じなので,もう一息頑張ってほしかった一本.こんばんわ三遊亭呼延灼です.とにかく画面が地味すぎました.
2095年.海水面の上昇により世界の大部分は水没.塩害で動植物は絶滅.残された土地で人類は細々と生き延びていました.当然真水は超貴重品.まずこの塩にまみれた未来世界の絵が素晴らしかったです.道行く人々の服装にも塩が付着してるっぽい・嵐になると砂嵐ではなく塩嵐.ビルもなんとなく塩っぽい.ディストピア感満載で好感でした.
この時代は同時に量子力学の発達により過去へのジャンプが可能な時代.ただし別の自分が分離し,片方が過去へジャンプ・もう片方は未来世界に残存.そして今海水を真水に帰る技術を求め,一人の男が2017年にジャンプします.でも,あれあれ?本当なら2017自分と2095自分は精神的につながってるはずなのに,その感覚がないや,どうしたの??ちゃんと必要な技術情報は過去から送られてきたのに,どうしてどうして?
からの展開が大変地味です.過去が変わって大変危険というわりには,その危機感があまり感じられませんでした.人々の抑揚が乏しいのです.うん,そう.地味というか物語のとっかかりがあったのかどうか.まるでツルツルの壁を登らされている感覚でして,あたしゃ刃牙のシコルスキーじゃありませんですよ.
うん,まぁいいディストピアが拝見できたので+0.5追加させていただきました.現場からは以上です!