バナンザ

アンダー・ザ・ウォーターのバナンザのネタバレレビュー・内容・結末

アンダー・ザ・ウォーター(2017年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

一時間半ほどの長さだったが、無駄のない濃厚なストーリであったと感じた。
たいして取り上げられることはなかったが、コペンバーゲンを舞台としていて、過去と現在の対比がコペンハーゲンの過去の日常的自然を尊いものに感じさせてくれた。

ラストが衝撃的であった。『ミスト』を抱いた絶望感のようなものがあり悲劇だった。インのひいおばあちゃんであったルイースも飛行機事故で亡くなったとなると、世界を救うはずだった研究者であるインの母も誕生していないことになってしまう。未来への希望も家族も失ったフォンルンを車内で仲間を射殺することになった『ミスト』の主人公と重ねてしまった。

【あらすじ】
2095年、塩化ナトリウム濃度の高まりと海面上昇により環境に適応できなかった動植物は消滅し、世界は資源を求めて争い合っていた。海水から真水を作る研究の情報を手に入れ世界を救うため、フォンルンは自らの半分を過去へと向かわせるが、過去を変えてはいけないという絶対条件の中で生き生きした過去の環境に触れる。未来を知っているフォンルンの心情も推し量れないものである。二人のフォンルンの言動が揃わなくなったことで、場面は展開していく。

【気づいたこと】
・タイトルの登場は映画が始まってから数分経ってからだったが、これはスウェーデン映画(もしくは北欧映画)に共通していることかもしれない
・ビンウェン伍長へのプレゼントが靴だったことに多少の違和感を抱いた。調べてみるとデンマークでは、クリスマスにパンツや靴下などの日用的なモノを挙げることが多いそう。極限の状況禍で、無用の長物は上げられないと思いつつ、調べたことである程度納得がいった。
・アメリカ映画より表情の変化が少ない
・記者会見やビンウェン伍長との会話で英語が使われていたが、話題に挙げられていなかった。英語教育の水準の高い北欧らしさを感じた。
・ビンウェン役のジョセフマウルは英国出身の俳優である。
・やや考えすぎかもしれないけど、他の海外作品と比べて女性、老人、子供が多く登場すると感じた
・海抜170mを最高地点とするデンマークは海岸から52キロ以上離れた場所はなく、日常生活の延長線上にこのような未来を描いているのかもしれない。
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