オーイワトモコ

志乃ちゃんは自分の名前が言えないのオーイワトモコのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

吃音症で自分の名前が言えなかったり、思うように言葉を発することが出来ない志乃は教室で孤立していた。
ある日、自転車を倒してぶつけてしまったことがきっかけで同じクラスの加代と会話をするようになる。ミュージシャンになりたいが音痴の加代は志乃が澄んだ歌声を持つことに気付き、文化祭でデュオを組まないかと持ちかける。

二人がお互いのコンプレックスを理解しながら仲良くなっていく描写がとても良かった。田舎の海のある景色の中に彼女たちの姿はとても映えていたと思う。特に舟の中で寝転んでいるシーンが好きだ。

ラストのシーンで、志乃の喉から腹から絞り出される声と、とめどなく溢れ出す彼女の感情に目が潤んだ。誰だってなりたくてなってるわけがない。

そして志乃は前へ進む。
彼女が教室で誰かと笑い合える日が来たのだ。