志乃ちゃんの高校入学から物語は始まるんだけど、序盤からあまりにも敵だらけで胸が締め付けられる。なんで映画の中の先生は、病気や障害に対してあんなにも疎いんだろう。同級生から向けられる悪意も、先生から向けられる誤った善意もすべてが苦しい。
クラスというコミュニティの存在や、目を背ければ背けるほど感じる周りの視線、ちょっとしたことから生じる親友との諍いなど、思春期特有の悩みや葛藤がとてもリアルに描かれていた。かもすると、大人になるとちっぽけに感じるような心の傷も思春期の心には深すぎるんだよね。
自分の気持ちを言葉にして伝えることが苦手な志乃ちゃんの感情の機微や葛藤が痛いほどに伝わる南沙良ちゃんの演技がとにかく素晴らしくて、涙と鼻水でぐじゅぐじゅの表情が美しかったです。
ギターの音色と志乃ちゃんのピュアで透明で突き抜けるような明るい歌声がとても心地よくてずっと聴いていたかったな。
