たいてぃー

志乃ちゃんは自分の名前が言えないのたいてぃーのレビュー・感想・評価

3.8
「青い鳥」を思い出した。中西健二監督作(ジョージ・キューカー監督作ではなくて)で、原作は重松清、主演は阿部寛。本作と同様で吃音といじめをテーマにしている。阿部寛は先生役。で、本作の主人公は女子高生。原作は押見修造の漫画で、脚本は数々の名作がある、足立紳。女子高生二人の脆くて儚い友情が描かれる。
二人が通う高校の屋上からの海や山の景色が美しい。ここは、どこなんだ?沼津のようだが、ストーリーに重苦しさがあるんで、ロケーションは晴れ晴れとした、この地にしたのだろうか。ロケーションといえば、海をバックにしたバス停も夜と朝のコントラストが美しい。
好きなシーンは、二人が仲良くなるきっかけのシーン。うまく言葉が発せられない志乃に対して、音楽が好きだけどちょっと音痴な加代が、これに書けばって自分の手帳とペンを渡すところ。面白いことを書いたら、これあげるって加代は言う。次のシーンでは志乃がその手帳を使って会話している。その手帳に書いた言葉にあっと驚くけど、ほのぼの感があっていい。
文化祭のシーンもいい。加代は一人で「魔法」って曲を歌う。この歌詞が、ストレート過ぎなんだけど、インパクトが強烈。そこへ志乃が登場する。これまでの心情を吐露するが、その純真さに心を打たれる。と共に志乃の行動、言動を理解できてなかった自らを反省した。
志乃役の南沙良、加代役の蒔田彩珠、いいねスゴいね、ホント名演。それと、この二人にちょっかいを出す、男子生徒役の萩原利久。彼も闇を抱えていて、その表現の仕方に感心。あともう一人、公園の管理人役の渡辺哲。セリフは一つもなかったが、この二人を見つめる目が優しい、いいね。