くらこう

響 -HIBIKI-のくらこうのレビュー・感想・評価

響 -HIBIKI-(2018年製作の映画)
3.9
映画館で見た衝撃が忘れられず、Netflixで2度目の鑑賞。まず、平手友梨奈が演じる鮎喰響という役、これが役に見えない。まさに、等身大の平手友梨奈がそこには描かれている。平手自身が我々が常識として思っていたことの概念を打ち壊し、そこに新しい概念の塔を突き刺されたような感覚になる。大人の建前、忖度、正義ヅラを振りかざし、正しいことをしているような顔で人を蔑む記者、天狗になった新人賞作家、そんな奴らをねじ伏せ、唾を吐き掛け、中指を立てて「文句があるなら私にどうぞ」。私には現代の革命家に見えた。

小説という実力がモノをいう世界の門を叩き、自分の実力ひとつでのし上がっていく鮎喰響にとても強い憧れを抱いてしまった。

こんな振る舞いが現実で許されるわけがないし、こんなことをすれば社会的地位を失い、最終的にはすべてを失うだろう。しかし、響にはそんなことはどうでも良くて、ただ自分がおかしいと思う事を社会に問いかけているだけなんだと思う。

鮎喰響でもあり、平手友梨奈でもある主人公はきっと純粋なのだ。純粋すぎるがゆえの行動である。我々があるべき姿は彼女なのかもしれない、と思わせられました。自分の中の一つの概念が塗り替えられる、そんな作品です。皆さんの好みに合うかどうかは分かりません。

つまらないっていうのは勝手。でも、ちゃんと見てから言ってby鮎喰響