Yuri

響 -HIBIKI-のYuriのレビュー・感想・評価

響 -HIBIKI-(2018年製作の映画)
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原作は三巻まで読んでます。原作キャラクターはどれもステレオタイプで、続きが気になる感じではないなぁと感じていました。平手ちゃんがキャスティングされた時も「マンガ大賞受賞作なのに「あさひなぐ」のようなアイドル映画になっちゃうんだ。」と思い、予告編も「平手ちゃん、棒読みだな。」と期待してなかったです。響は静かな言葉に強い感情を込めるキャラクターなので。でも、映画が始まったら全ての予想が良い方にひっくり返る出来で、平手ちゃんは風貌も演技も響にドハマりしてるし、凄く可愛いわけじゃないのに、目が離せない存在感で、スターのオーラを感じました。正直、響は、理論上は間違っていないのだけれど、発達障害か何かで感情を抑えられず、それが魅力になっていないヒロインだと思っていたのですが、そんな中で時折、響が見せる迷いや喜楽の機微な表情が可愛らしく、平手ちゃんの絶妙な演技バランスは凄いなと驚きました(*^¬^*) 映画出演は8年ぶりとなる凛夏役のアヤカ・ウィルソンと板垣瑞生くんは小さい頃を観ているので、大きくなったなぁと好々爺な目線に(笑)二人とも超美男美女に育って、画面がキラキラしてました(*´∇`*) 凛夏が出ているシーンは全部好きなくらいアヤカ・ウィルソンの勝気な演技も良かったです(*^^*) 隆也役の笠松将も若い頃の綾野剛みたいな雰囲気のある俳優さんで、気になる存在でした。私は、芥川賞も直木賞も割と読む方で、今年の直木賞に島本理生さんが決まった際は、やっとやっとやっとだ!という思いが込み上げて(ただの一読者です)夜中なのに、家族を叩き起こすくらい感情の高まりが止まらなかったです。作家さんにとって、特に芥川賞は、選ばれるのと選ばれないのとでは、天国と地獄の差で、毎年、寿命が縮まる思いで挑んでるのが、響を巡る作家たちを通して、凄く伝わってくる作品でした。それらの執念を描くことで、15歳の響の、小説を書きたい、自分を認めて欲しい、作品を誉められたら嬉しいという、作家の原点のような感情も同時に浮き彫りになっていたのも良かったです。芥川、太宰、三島、川端、谷崎と歴史に名を残す文豪たちは変わり者揃いで皆自分は間違ってないと最後まで思っていたっぽいので、響がこれからどういう結末を辿るのか気になります。
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