つう

響 -HIBIKI-のつうのレビュー・感想・評価

響 -HIBIKI-(2018年製作の映画)
3.0
『人間は革命(物理攻撃)のために生まれて来たのだ』

文芸誌「木蓮」の新人賞の応募作品に応募要項を無視した作品が送られてくる。それを見つけた若手編集者の花井ふみは、その作品に文学界の希望を見出す。その作品を執筆したのは住所や連絡先の記載されておらず作者名だけが記されていた。「鮎喰響」と書かれていた。

同名マンガを実写映画化した作品。
マンガ大賞2017で大賞を受賞するなどの人気作。
作者は柳本光晴先生。

監督は「君の膵臓をたべたい」「センセイ君主」などで知られる月川翔が担当する。

脚本は「TIGER & BUNNY」の西田征史が担当。

主演は欅坂46の平手友梨奈。

1~5巻まで原作を読みましたが基本スタンスとして原作は自分には合わなかったです。監督が月川翔というコトで鑑賞しました。

酷評になるんで読む方はご注意。







良くも悪くも原作のまま丁寧に映像化されていました。
え?と思うシーンがあると思いますが、それは忠実に再現されていますし。ありえなさすぎるシーンは上手く改変されてました。

例えば原作では屋上から落ちるシーンでは途中階にいる良太郎がキャッチすると言う超人プレーをするというのは変えられてましたね。

どうしても原作では「響 小説家になる方法」とあるのだが、そこが一切描かれていないのを踏まえてなのか。「小説家になる方法」という部分を映画版では取り払ったのは良かったと思う。

小説家を通して「カリスマ」という存在を描きたいというのは分かる。
分かるのだが文壇に対してリスペクトが、あまりにもなさすぎる。
そもそも直木賞芥川賞のW受賞というモノが現実では存在しえない。

まぁ、「ユーリ」にしろ「3月のライオン」にしろフィクションの無理ゲー設定を現実を超える案件が出てきてるので「響」が映像化されたコトで、そういう作家が出てくるのかもね(遠い目)

オレが知りえるフィクションの世界では自分の感性を人に伝えることができないキャラがコミュ障で、それを絵であったり音楽や、それこそ小説という創作で表現するコトで人に伝わるというモノだと思っている。

それについて「響」は出来ていない。
響と凛夏、田中康平。出てくる尖っているという小説家たちは自分たちの意見が通らないと暴力に訴えるという行動に出る。

お前ら一端の小説家ならせめて口論しろよw子供のケンカかよ。

それを周囲の大人たちは何て破天荒なんだと響に会うと誰もが一目惚れして何かの洗脳を受けたのではないのかと思うくらい簡単にデレる。
オレが知る限り、それを破天荒とは言わないんだが…

この作品は好みがバッサリ分かれる作品だと思う。
楽しめたというレビューも多く見られるし。まぁ、自分には合わないというだけでした。

この「響」が残念だったのは「累」と同時期に公開したことだと思う。
色んな部分で比べられる部分があるし。そして、その部分で「響」は全てにおいて劣っていたという印象だ。

まぁ、もしこの作品が合わずに「カリスマ」というモノを目にしたいというなら是非、映画「累」を鑑賞するのをおススメします。

酷評しましたが、この作品よりも信じられない出来の漫画実写化も沢山。沢山あるので、そういう作品とは違ってフツーの出来はありますよ。
別に金返せというレベルではない。見て損したとも思わない。

上手くキャスティングがハマったと思う平手友梨奈は良かったし。
アイドル映画というジャンルでみれば、しっかりできてる部類だと思います。
つう

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