そうめん

響 -HIBIKI-のそうめんのレビュー・感想・評価

響 -HIBIKI-(2018年製作の映画)
3.4
原作未読だが、平手友梨奈と主人公・響は似ているらしい。才能にあふれていて、筋を通しどんな相手でも主張を曲げない。魅力的なキャラクターになるはずだった。

本作の面白さは響の周囲にいる登場人物達にある。
平凡な編集者。作家デビューする有名作家の娘。新人賞を受賞した作家。才能が枯れた芥川賞作家。受賞できなかった作家。才能と努力と運とビジネスに翻弄される人々をもっと絡めて、出版・文学界の業をえぐり出して欲しかった。

しかし本作は、響が敵対する相手を印象的なアクション(時には暴力)で一撃でマウンティングする快楽部分を選んだ。
そりゃ、カタルシスはあるのだが、観終わった後に、響は一体なんだったのか?という疑問も残る。

いろいろ惜しいのだが、月川監督の手堅い演出で普通に面白く観れるし、アヤカウィルソンが意外と良くて今後に期待したい。