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響 -HIBIKI-のブロックバスターのレビュー・感想・評価

響 -HIBIKI-(2018年製作の映画)
4.0
比類なき才能を持つ女子高生が、その作品を世に見出され文学賞を総ナメにするというあらすじ通りの話なのに、どうしてここまで惹かれてしまうんだろう。

自分なりに考えてみると、主人公響が(めちゃくちゃ語弊がある言い方をすれば)「一芸に秀でたクズ」だからだろう。

響の文章は、誰もが認めざるを得ない程すばらしい。けど、自分が良しとしないことには、相手が年上だろうと小説家だろうと、出版社の社長だろうと、頑として首を縦に振らない。それどころか、時には手すら上げる。不器用、でも天才。こんなに魅力的なキャラって他にいるんだろうか。

私は原作を読んでいないから偉そうなことは言えないが、響のキャラは、平手の為にあるような存在じゃないか?と思えるくらいのハマり役。これからは、欅坂46に熱視線を送ってしまいそうな自分がいる。

しかし、レオナルド ダヴィンチしかり、ピカソしかり。天才は時に周りの人を不幸にする。高校の先輩で、かつ小説家としては先輩のリカは、響の才能を前に自分の非力さを感じて一度筆を置くシーンが、個人的にはとても共感する。人間だもの。そりゃ嫉妬もするわ。さらに響が起こす暴力事件が、不要な反乱を招く。

それでも響が貫く正義に、周りが巻き込まれている様子は見ていて爽快だし、最後のシーンもなんか良いなぁ。。

あなたはどう思うの?あなたの考えが聞きたい。作品を見終わった後も、響にそう問われ続けられているような気分だ。