海ブタ

未来のミライの海ブタのレビュー・感想・評価

未来のミライ(2018年製作の映画)
4.0
『家族』という大きな木の年輪を感じさせる作品。

日常には多くの苦しみや葛藤があるけど、その一つ一つを乗り越えて少しずつミライが創り出される。
 冒頭は、子育ての大変さがしみじみと伝わる作品だと感じた。だが、物語が進むにつれて二つの軸に気づいた。
 一つ目は、『家族の繋がり』だ。家族の繋がりは、実際のところ感じにくい。写真やビデオなどで振り返ってもあまり想像がつかないと思う。今作品では、その想像がつきにくい部分をアニメ映像化することで擬似体験できるような構成だと感じる。
 そして、『くんちゃんのお兄ちゃんとしてのアイデンティティーが確立』である。くんちゃんはお母さんとお父さんの子どもという関係だった。だが、そこに突如ミライちゃんが加わったことが大きな環境の変化が起こる。生きものにとって、環境の変化に対応するには、時間を要する。その過程をくんちゃん目線(当人)で辿れるようになっており、そういったコンテンツは、これまでにありそうでなかったものだと私は思う。


超個人な感想【つぶやき】
くんちゃんの声を聞いて、衝撃はありましたが作品全体で観ればとても好きです。
先週、心理学の授業を受けたのでその余韻もあってか発達心理学から観ると「へぇ〜」ってなるシーン多いなと。
あと、個人的に思い入れ深くなる作品でした。4個上の兄がいて、ちょうどこの映画の主人公「くんちゃん」と同じなので…。
兄も私が産まれてから色々葛藤があったんやろうなと想像もしました。笑笑
こんなにも、登場人物全員の気持ちを考えさせてしまう魅せ方する細田さんすごいなぁ。

色々考えてしまうコンテンツでした!ありがとうございました
海ブタ

海ブタ