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未来のミライのろいろいのレビュー・感想・評価

未来のミライ(2018年製作の映画)
1.5
💠favorite line💠
"ミライちゃん、すきくないの!!"

🎞️catch phrase🎞️
『ボクは未来に出会った。』

🎞️story&information🎞️
とある都会の片隅の、小さな庭に小さな木の生えた小さな家。
ある日、甘えん坊のくんちゃんに生まれたばかりの妹がやってきた。
妹に両親の愛情を奪われたくんちゃんは家の庭で自分のことを「お兄ちゃん」と呼ぶ、不思議な少女と出会う。
くんちゃんが最後にたどり着いた場所とは?不思議な少女がやってきた本当の理由とは――。


監督は細田守。

『バケモノの子』に続く細田守監督による長編オリジナル作品第5作。
第71回カンヌ国際映画祭の「監督週間」に選出。上映後、『ル・モンド』は本作を「繊細な観察が出来ている」と評し、フランス・アンフォは『未来のミライ』を「美しく感覚的」と述べ、「細田守が本作で取り組んだ建築や都市装飾における描写は驚嘆するべきものである」と評した。

🎞️review🎞️✐✐✐✐✐✐
不思議な絵本のような、小さな子供と親の物語が特徴な作品。
確実にターゲットを選ぶ作品。

私には合わなかった。素直に言うと視聴時間を返して欲しいと言いたい。

まず、子供が不自然。
序盤から子供の声に違和感という評価も多く、たしかにその通りなのだけど、
それ以上に、子供の言動に癇に障るような気味の悪い違和感を感じた。

本作の子供は明らかに大人の"恣意的な視点"が付け加えられている。
たしかに、赤ちゃんを新幹線のおもちゃで何度も殴ろうとするシーンは所謂「赤ちゃん帰り」を描いているのだろう。その点はリアルで評価できる。

しかし、主人公の子供が犬のしっぽをお尻に刺し込んで犬に変身するシーン。可愛いと感じるどころか制作陣の性癖が垣間見え、気持ち悪い。。
「ハチゲーム」のシーンはもっと悪趣味的で下劣で下品。
子供が頬を赤らめて「もっとして…」のセリフには眉間にしわを寄せてしまった。
主人公本人が知る知らないとは関係なく実の妹に向かって言うシーンをわざわざ描くのは制作陣の意図的なものとしか思えない。
悪趣味とエンターテインメントは別物と改めて実感できた。

次に大人の間違いだらけのリアルさ。
主人公をほったらかしで家事に追われる両親。
しつけではなくトラウマを植えてしまう教育が見受けられる両親。
これらは自分と重ねて心が痛む人がいるであろう程にリアル。

おじいちゃんの意地悪さを置いておくにしても、
・子供が不自然
・大人は間違いだらけのリアル
という一貫性のないキャラ構成となってしまっている。

ストーリー構成と設定は相変わらず細田自身の過去作と、どこかの監督を意識した手法を取り入れている。
現実と非現実が入り乱れる作品手法はたしかにあるけど、丁寧につくりこまないと何を伝えたくて、どこを観て欲しいのかわからい。
合わせて、ストーリー本筋は子供向けてはなく、明らかに大人向け。

自分の過去作の設定を違った切り口から描こうとした創意工夫そのものまで否定するつもりはないけど、上記が理由では誰に向けての作品なのかさっぱり判らくなっている。
子供が観ても面白いとは思えないだろうし、一貫性のないキャラ構成が理由で他人のホームビデオとは決して思えないし、大人が観ても違和感を感じるだろう。
唯一ターゲットになり得るのは、成人だけどまだ子供がおらず、家庭を知らない大人になるのだろうか?🤔


なんとか絞り出して、『世代を超えての奇跡と軌跡、そして親と子どもの成長』そういうテーマを伝えたなかったのかな?と思ったけど、全体的に薄い。
「勝手に成長する自分の子供の作品」ではなく、「勝手に成長する自分の子供を大人目線で妄想した作品」のほうが近い。

我々が勝手にレッテルを貼ってる「ポスト宮崎監督」。監督の想像力を心配になるぐらいなので、細田監督には貼らないで伸び伸びと作品を制作して頂いたほうが良いかもしれない。そう思える作品だった。

最後に、作画だけは本当に美しい。

以下余談。
「多角的で深い思考を持つ人には分かる」という通好みの作品との意見もあるけど、それはいわゆる監督側が見る側に丸投げしている形であり、それを理解できるとか思ってる人が「通」と捉えるか、監督の実力不足と捉えるか。の違いだろう。
あえて謎を残したり、メッセージが残されてたり、意図的に観る側に投げかける作品ならわかるけど、本作はそうではないことを忘れてはならない。

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story:amazon prime参考
information:Wiki参考
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