まりぃくりすてぃ

未来のミライのまりぃくりすてぃのレビュー・感想・評価

未来のミライ(2018年製作の映画)
3.3
これひどい。
主役くんちゃんの声をやった上白石萌歌が最悪。せっかく真夏にエアコンがんがん効いてるシネコンで夏イチなTATSURO曲と五つ星な美術に最初から酔いしれ、窓ガラスとくんちゃんの戯れに「うん、ジャパニメは世界一だ」と胸膨らました矢先に、何コレな声! 男児らしさゼロすぎだよ。若い女の単に高めの単なる女声にしか聞こえず、以後もう映画に集中できなかったよ。
いっそ矢島晶子大先生がやってくれた方が。。。

物語は、何の悩みもあるわけないリア充家族の贅沢なギャアギャアを愛おしげに描いてて、飼い犬までそのストレスフェスに参加しちゃって、ともかくも犬から始まったファンタジースイッチが即タイムマシーンなので、当然ところどころにエモ要素(ひいジージの伝説とか)あり、必要性低いギャグもあり。圧巻の未来の東京駅は、老若男女全員受けしそう。お金と人手をかけたからにはね。
記憶脳は嗅覚と密接っていうのが今の科学なんで、もうちょっと“匂いのしそうな”映像を心がけてほしかったというのは望みすぎ?

大資本の後ろ楯のある男の監督が「お約束の、空中落下時に絶対パンツ見えない制服女子高生」と「夫をどんどんメス化しようとする強気な美人妻&とっくに去勢済みの夫」をまるで世間へのオヤツかごちそうみたく自分勝手に描いた。フクシマにもオキナワにも注意なんて払わず絶滅寸前の中産階級(もちろん関東の一番いいとこのいい家に住んでる。建築士だからってねぇ)を礼賛してる既得権益保守性。何だか好きくない。ほんと好きくない。ジージバーバをグランパグランマと呼ばないのがせめてもの(最低限の)細田氏の良識なんだね。

私的には、オニババ(妻)の子供時代の散らかしたりするところが最高だった。このオニババは昔から悪いやつだったんだね、と声出して笑いそうになるのをこらえて腹筋も背筋も痛かった。