木葉

未来のミライの木葉のレビュー・感想・評価

未来のミライ(2018年製作の映画)
3.0
かまってちゃんの主人公が時空を超えて、家族の歴史を知る。妹が出来たことにより、両親の愛情が妹に根こそぎ持って行かれ、駄々をこね、あの手この手を使って両親の注意を惹き、困らそうとするくうちゃんが未来や過去にタイムスリップして、未来のミライ(妹)や、愛犬そっくりな男、母の幼き頃、父の生い立ち、戦争を経験した曽祖父と出会う。
自分にしかベクトルが向いてなかったくうちゃんが周りが見えるようになり、妹を温かく見守るお兄ちゃんとしての感情も芽生えてくる。
苛々しか感じさせないくうちゃんに観客は自分を重ね合わせる。きっと構って欲しいのは誰しも持っていたり、通り越して来た感情だから。
細田守はそこから、異次元の時空の旅に誘う。自転車がなかなか乗れないくうちゃんが過去の若い曽祖父(福山雅治)のバイクに乗り、前だけしっかり見るんだと教わる姿を通して、私たちもしっかり前を向いて生きることを後押しされたような気になる。
過去の先祖から受け継いで来た未来へのバトンを通して大人も子供も一緒に成長していく映画とはなっているが、個々のエピソードが単純化し過ぎていたり、突拍子もなく場面が切り替わる割には、描くスケールは小さく物足りない。
木葉

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