ShinTakeuchi

未来のミライのShinTakeuchiのネタバレレビュー・内容・結末

未来のミライ(2018年製作の映画)
1.5

このレビューはネタバレを含みます

細田監督は一貫して家族の物語を描いてきた。本作もその流れに位置する。
主人公の男の子に妹が生まれ、未来と名付けられ、まだ赤ちゃんのはずの未来ちゃんが、未来から表れて、というストーリーだと思っていた。
しかし、登場するエピソードは「未来の未来ちゃん」だけでなく、両親やその祖父母まで及び、まるでオムニバス映画のようだ。
つまり、この映画は「未来の未来ちゃん」(だけ)に関する映画ではない。
まず、この「未来のミライ」というタイトルに大きな違和感を覚える。

そして、この映画の構成上の問題。
個々のエピソードはいい話もあるし、いいシーンもある。
しかし、90分なり120分という映画のフォーマットに収めることを考えたとき、これは映画の体(てい)を為していないと思う。
個々のエピソードをつなぐ1本の物語としての構成が極めて弱い。

繰り返すが、個々のエピソードやシーンには素晴らしいところがあり、そこは否定しない。
しかし、この程度の感動をくれる出来のいいショートムービーならば、(それこそCMでも)いくらでもある。
残念ながら脚本が突き詰められていないのだ。
本作の評価を厳しくした理由はここにある。
ShinTakeuchi

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