すきくないお話
「スキクナイ」の呪文を唱えると、あら不思議！ 相手のことをもっと知ることができる時空を体験できる。相手の事情を知ることで、対象を理解し、感情移入し、自分本位の未熟な感情から生まれる好きくないは、相手を思いやる優しい愛情に変化する、そんなお話を、子供の非理性的な世界観で展開していく といった感じのお話になってるのかなと思います。終わってみれば幸せなご家庭のストーリーでしたけどね。
4歳児くらいだから、成長は急にしたり、戻ったりとなってしまうのは仕方ないのですが、大人の視点からすると、フラストレーションが。客席のお子様方の笑い声が聞こえてきたので、夏休みアニメということもあり、ターゲットがそちらに向いてるのかもですけど、お話的にはそうとも捉え難く、なんとも中途半端な印象。
子供ならではの視点世界というにも微妙で、結局他の人々の追体験なので大人世界の出来事を繋ぎ合わせてる感じです。
個々の事象が複層的に積み重なって、成長に繋がるとか、家族関係がわかりやすく堅固になるとかいう感じでもなく、ただただ他人のファミリームービーを観てるような感覚。
くんちゃんの役者さんは、リアル子供にするか、私みたいなオタクに耳触りのよいアニメボイスにしてくれた方がよかったかな。演じられているという感覚がぬけづらかったです。
せわし君よろしく、お兄ちゃんがしっかりしてくれないと、未来の私達家族はメチャクチャになってしまうんだ！みたいなお話で、家族修復の徴に、未来のアザが消えるみたいなのがあればわかりやすかったのですけど、結局アザの意味が不明でしたね。過去と未来を繋ぐなにかと思ったら、その役割は中庭の木なわけですし。妹の識別要因としては、4歳児には難解すぎる気もするし。なんでもかんでも意味を求めてはいけないのだろうか。
パンフは720円
