このレビューはネタバレを含みます
自分だけが愛を独占できないという気づきは子供にとっては少し寂しい
が、くんちゃんのはそのおかげで家族という集団や歴史の中の自分という視点をちょっとずつではあるが得始めているように見えた
お母さんのアルバムの写真やひいじいちゃんの話などがいい例
未来のみらいちゃんの架空世界というくんちゃんの精神世界が犬の話からどんどん家族の話に広がってくのもくうちゃんの知りたい対象が増えていってることの現れだろうか
そういう知る旅の仲ででくうちゃんは家族への愛を少しだけ抱き始めてるように見えた
最後に黄色のパンツにはきかえなかったのも家族への気づかいに思える
愛は失ってからわかるものとか恋愛において言ったりするのをよく聞くけど、この話のくうちゃんにおいても似た感じなのだろうか
愛を少し失うことで他者の視点を得て、人から愛されるだけではなく人を愛するようにもなる成長過程のささやかなプロローグを見た気分
架空世界が現実世界のすぐそこにあるってのはアニメならでは
未来のみらいちゃんはくんちゃんのこういう自分探しの良き案内役だったのかな
正直言うと、色々と考えては見たもののわからずじまいって感じ
この映画について絶対的に言えることはヤマタツの音楽がよかったってことくらい