マクガフィン

未来のミライのマクガフィンのレビュー・感想・評価

未来のミライ(2018年製作の映画)
2.8
愛情を妹に奪われ屈折した4歳児・くんちゃんが駄々をこねる長々とした描写が何度もあり、許容のキャパを測られているか勘違いするほどの冗長はストレスに繋がる。キャラの中で一番声高で、滑舌な声がマッチしていない違和感も如何なものか。

ご都合主義な並行世界は、原因・経緯・結果・背景の奥行き不足で、説得力に繋がらない。家族の絆や繋がりは重要だと思うが、家族の血縁に拘るような形成は時代錯誤に感じて、世界観や思想が狭くて浅く感じた要因に。現代的な家族設定の矛盾にも。

前半のくんちゃんの幼さや嫉妬の心象描写の構築が、生まれたばかりの妹を叩いたり、つねったりしすることも疑問に。そんなこんなで、後半にエモを振りかざされても共感は湧かない。過去や未来の呼応や投影も同様に。また、成長譚としても冒険譚としても疑問でカタルシスを感じなく相性が良くない結果に。

映画のテーマが「繋がり」なのに、ぶつ切りのようなエピソードは上手く繋がっていなく、それらが相乗したり終結したりする模様が薄いことがもどかしいい。後半のSF的なテイストに変わるのなら、アニメならではの世界観が広がるような面白味も欲しかった。