サムカワ

未来のミライのサムカワのレビュー・感想・評価

未来のミライ(2018年製作の映画)
5.0
「何にでも最初はある」



え……評価低い……。


僕としてはど真ん中直球どストライクでした。
何度となく涙が溢れて大変でしたよ。


元々子どもの成長や、子育てに奮闘する親を描いた作品は、自分の存在の奇跡さや普遍性、この世で最も身近でありながら最も感動的なものとして、僕は大好きなんです。
「きみはいい子」とか「パパが遺した物語」とかね。


それに「インターステラー」ぶっこまれたら そりゃ好きですよ。




恥ずかしながら「時をかける少女」しか観たことがないくらい、細田守作品弱者だったので、ここまでアニメーションのクオリティが高いとは……。

冒頭の空撮の時点で「え!?実写!?」となるくらい綺麗でしたし、表情の変化の細かさや、アニメ特有の面白さが最高ですね。


開始早々 くんちゃんがミライちゃんを初めて見るシーンですでに泣いてしまいました。
人の命の美しさといいますか……なんだろうな。
僕は三人兄弟の末っ子で、8mmビデオで父親が撮った 僕が産まれたばかりのときの映像を見たことがあるんですが、そのとき兄が「優しくする」「イジメたりしない」と言っていたことなんか思い出して、もう涙が止まりませんでした。



今の僕らからすれば、大したことないことでも、子どもの世界では一大事!
そんなことを感じさせてくれる雛人形の下りの面白味も良かったですし、なにより自転車の話はもう涙腺ダム決壊。

子どもができなかったことができるようになる場面ってなんでこうも感動的なんですかね。


まだ外の世界をよく知らない子どもがどんどん外界に触れ、他者を知り、自分の中の世界観を広げてゆく過程は、どんなSFよりも、どんなファンタジーよりもスペクタクルだな〜って普段から思っているので、まさに我が意を得たりといったような。


過去の自分の子ども時代を少し思い出しつつ、いつか自分に子どもができたら、きっと自転車乗れただけでも僕は泣いちゃうんだろうな〜なんて考えたり。

親にもっと感謝しないとですね。



あと、昨今よく話題になる電車で泣いちゃう赤ちゃんに対してイラ立って親にキレるクズとかに見てほしいですよ。



他の方のレビューで誰にも感情移入できなかったというのを目にしましたが、僕はむしろ全員に感情移入してしまいました。

子どもはもちろん、親だって未熟。
そんなみんなが、ほんの少しだけ成長して、まだまだ未熟だけど、それでも、だからこそこれからも頑張っていこう!
だって「何にでも最初はある」


そんな風に他者に対して優しくなれる映画だったな〜と思いました。
サムカワ

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