ホイットモア大統領

未来のミライのホイットモア大統領のレビュー・感想・評価

未来のミライ(2018年製作の映画)
3.3
細田守、全部盛り。

『ぼくらのウォーゲーム!』の電脳世界。
『オマツリ男爵と秘密の島』の闇。
『時をかける少女』のタイム・トラベル。
『サマーウォーズ』の家族。
『おおかみこどもの雨と雪』の母と兄妹。
『バケモノの子』の成長。

これらを全て合わせた、集大成的作品が『ミライの未来』になります。

……が、くんちゃんの声がダメでした…。
上白石萌歌の声がダメというより、単にこのキャラクターに合ってなかったのだと思う。
そのせいか、個人的には中盤の、喋ってはいけないメタルギアなくだりが1番面白かった。

加えて、今回描かれる家族の設定に違和感。

建築士のお父さんが建てる家は、機能性より見た目を重視し、子供のためとは言えない造りで、家族の入り口・象徴とする家を映し出す点から、そもそもおかしい。
ましてやお父さん、声や見た目からしてTHE 草食系で、男としてあまりにも弱々しく描かれ過ぎだ!!

中でも自転車の練習シーン。
そこは曾祖父でなく、“父の力” を見せなきゃダメでしょうよ。ましてや、娘をほっぽり出してるし!

また、お母さんも仕事で心配とはいえ、家事育児に不慣れな旦那に強く当たり過ぎである。「くんちゃんを育てる時は手伝ってくれなかった…」とはいえ。
これにはなんだか、現代社会の強い女性を描く!というより、八つ当たりに近いものを感じ取れてしまった。
まあ、亭主関白にしろ!とは思わないし、この家族がそれでいいならとやかく言うことも無いんだが、俺には違和感だったな。

その他、未来のミライちゃんや、ゆっこの存在が中途半端になってしまっていたり、監督のやりたいことはわかるのだが、色々掴み損ねてしまった印象。

ただ、OPとEDの山下達郎はやっぱり良いので、少なくともつまらないとはならない。が、俺はそこまで「好きくない。」