灰色のぞう

未来のミライの灰色のぞうのネタバレレビュー・内容・結末

未来のミライ(2018年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

スタジオ地図作品が大好きなので映画館で鑑賞しました。やはり細田守のショタケモナー好きっぷりが存分に出ていました。一作目の時をかける少女ではそのような雰囲気を一切感じさせない爽やかに駆け抜ける夏の映画を作っていましたが、二作目以降からかなり自分の好きなものを描くようになったな、と思います。作品を通して描かれているのは主人公くんちゃんの成長です。妹が出来たことをきっかけに大好きなママとパパは独占できない、お兄ちゃんだからの一言で我慢を強要される等まだ幼いくんちゃんには面白くない日々がやってきます。そこで未来からミライちゃんがやってきたり過去へタイムスリップしたり現実ではありえないことを体験して成長していく。

多くの人が感想に書いているかもしれませんが特に心に残ったのは未来の東京駅のシーンです。この世のものではなさそうな新幹線が駅に到着し、自分が自分であることの証明を求められます。4歳の子供にアイデンティティの確立と説明を求めることは難しく案の定困ってしまうくんちゃん。結局、くんちゃんはミライちゃんのお兄ちゃんである事をアイデンティティとして新幹線のシーンから抜け出します。これが10代後半が主人公ならツッコミどころ満載ですが4歳であれば仕方ないかな、という感じです。しかし4歳であっても他者の存在ありきでアイデンティティを確立するのは良いのか?という疑問が残りました。

この映画を見てもらいたい層を子供にしているのならあまりにくんちゃんは子供らしい子供ですのでイライラしてしまう気がしますし、大人にしているのなら上記の通り疑問点が多々あります。誰のためでもない!監督である自分が好きなショタが描きたいんだ!と言われてしまったらそれまでですが全体的にぼんやりした映画でした。あとは、声が全然合っていないようにも感じました。なぜ彼女なのか。
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