通りすがりの旅芸人

15時17分、パリ行きの通りすがりの旅芸人のレビュー・感想・評価

15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)
3.7
 俳優という職業に、もはやプロもアマチュアもないのだろうか。

 これまで実話をもとに作られた映画は山ほどある。イーストウッド監督の名作でトムハンクス主演の「ハドソン川の奇跡」もそう。
 だが、この映画の一番の驚きは実話の映画化にとどまらず、なんとなんと、テロを阻止した当事者たちが事件前後を再現して演じたのだ。
 しかも、その演技?再現がすごくよいのです。
 
 パリ行き午後3時17分発の車内の描写がメインになると思いきや、意外なことに映画の67分後くらいまではほとんどその場面はない。
(なぜかはみれば分かります)
 
 テロそのものよりも、テロ阻止を果たした三人のアメリカ人若者たちの少年時代から今にいたるまでの振り返りに時間が割かれる。

 落ちこぼれがアメリカのヒーローになる。
 これまで何度となく繰り返し描かれてきた、大衆が好むヒーローたちにきっとアメリカ国民は大いに素直に鼓舞されることでしょう。
そのヒーローたちがもはや白人だけではないことが、このご時世を反映しています
はて、こういうヒーローヒロインは日本から生まれるんでしょうか?