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15時17分、パリ行きのandhyphenのレビュー・感想・評価

15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)
3.6
「犯人以外全部本人」ということで注目された本作ですが、実際の事件の緊迫シーンが続くのかと思いきや、前半は青春物語であり後半の最初は完全に観光映画です。本人たちは(私が見る限り)極めて自然に自らを演じており、本人だからなんか変、という感じは全くなくてさすがだなという気がします。特にラストで本人たちが演じている事が上手く利用されており、なるほどー...と思いました。リアリティがすごく高まった。
ただ子ども時代からの彼らの成長が書かれるのですが、そこが最後の最後に遺憾無く生かされているかというとそうでもないかな、と思えるのはやや残念です。成長譚がやや薄いのかな。でも子ども時代の彼らは問題児として描かれており、そこから「英雄」になれる、というある種の勇気づけの役割は果たしてくれます。
実際にあのように行動できる、ということは本当に素晴らしい。その勇気に心を強くさせられる作品です。
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