Catman

15時17分、パリ行きのCatmanのレビュー・感想・評価

15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)
5.0
0312追記
これもう普通の「映画」という枠では語れません。何しろ主役やその他の出演者がテロ事件の当事者ってんだから。一般的なハリウッド娯楽作品を期待する人にとっては肩透かし感ハンパ無いのでは。少なくとも主役が俳優じゃなくて素人だって事前に知っておく方がいいと思います。この主役3人に対しては演技が自然で凄いって評価が多い様ですけど、私は「上出来だ」ってのが率直な感想。やっぱりプロの俳優に比べたら雲泥の差があります。だがそれがイイ。役者然としない普通の人っぽい雰囲気が本作の肝。
こんな特殊な作品はイーストウッドじゃなきゃ撮れないし、彼だから撮ることを許された映画だよなあって思います。

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イーストウッド半端無いって!!実際に起きたテロ事件の当事者を主役に起用して傑作を撮るとか、そんなん普通出来ひんやん!

んー 唸る。私が永年に渡って抱き続けている実話系映画への違和感に対するイーストウッドからの回答がこれか!(ほざいてます)
『ハドソン川の奇跡』でも再現性を徹底的に高めた救助シーンや、過剰な情緒性を削ぎ落としたソリッドな演出に感心したけど、本作はそれを超えてます。94分の尺が素晴らしい。主役3人の拙い演技は、だからこそ良い。主演が名優じゃないからこそ響くものがある。彼らが勲章を授与されるシーンで使われる実際の映像と撮影パートとのシームレスな繋ぎは映画史上最強、どっちも本人達ですから。フィクション=/=ノンフィクション。兎に角こんな映画は初めて、もはや普通の映画に非ず。私はもう40年近くイーストウッドのファンで彼の映画をずっと追い掛けて来ましたが、90歳近くになってこんな実験的で挑戦的な作品を撮るだなんて全くとんでもない人です。この先あと何作撮ってくれるだろう。ずっと付いて行きます